2010815 ランダム
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第3話 謎の寺

エヴァンゲリオン/Refrain of EVANGELION

エヴァンゲリオン/Refrain of EVANGELION

第3話 謎の寺

シンジ君を発見出来なかった子分達をシバキ倒した阿龍組の親分は、このことを父親のゲンドウには黙っていることにしました。
もし、聞かれたら、

「そう言えば最近見かけへんなあ?」

とかいう、ベタなボケをかまそうという魂胆です。
それまでは、濡れ手に粟で養育費が手に入るという訳です。

「お前も悪よのお」「お代官様こそ」「けっけっけっけ」

一方、その頃シンジ君は、目を覚ましていました。
きょろきょろ。
回りを見てみると、山奥の荒れ寺のようです。

「どうじゃな、気が付いたかな?」

この人がシンジ君を救ってくれたのでしょうか?
優しそうな瞳の中に、怖そう~な光を宿したお坊さんでした。

「怖がることはない。ここは、羅漢寺というお寺じゃ。わしは管長の倉 澤秀ちゅうもんじゃ。」

「管長??」

シンジ君は不思議そうに聞き返しました。

「分かり難かったかな?そうじゃな、空手の道場で言えば塾長みたいなもんじゃ。」

余計に分かりません。

「和尚、ドクター。入りなさい。」

管長が部屋の外に呼びかけると、二人のオッサンが入ってきました。
一人は筋骨隆々とした偉丈夫です。
パッと見は、ヤーサンにも見えます。

もう一人は、ひょろひょろした外人です。
でも、髪の毛の付け根が黒かったり、肌から白粉の粉がこぼれているところを見ると、日本人なのかも知れません。

「君を見つけて、ここまで運んできたのが、そこの龍 浄道 和尚じゃ。」

ヤーサンに見えましたが、和尚さんのようです。

「瀕死の君に手術をして生き返らせたのが、そこのドクターナーマオウじゃ。」

エセ外人と思ったらお医者様だったのですね?!

「どんな事情があるかは知らないが、傷が治るまで、ゆっくりしていきなさい。」

と、管長が優しく言いながら、シンジ君の頭を撫でてくれました。
こんなに優しくされたのは、お母さんが死んで以来初めてだったシンジ君は思わず、泣き出してしまいました。
異様な外見とは裏腹に、優しい目つきでシンジ君を見守る3人の男達でした。 

第4話に続く


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